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RooM

2026.05.01

ARTEA、TUTAEEのHOME DRESS、IITO。

なんでもない1日の中で、なんでもいいとしたくはない、僕らのわがままに応えてくれるアイテムが揃いました。

おでかけの機会は減ってしまったけれど、身につけるものや目にするものに心を配る機会が増えた、ここいくつかの季節。言うまでもなく、家で過ごす時間はいわゆるOFFなんだけど、本当に気に入ったものを身に着けたり、使うという行為は気持ちをゆるやかにONにしてくれる。

ARTEAのリネンシーツシリーズは毎日手にする、白シャツのように生活に溶け込み、トマトソースが散っても、「まあいいや」、と思えるおおらかさがある。少々シミがついたエプロンだって、焦げ目のついた鍋敷きだって、それもひとつの表情になる。

ツタエのHOME DRESSは木綿の浴衣地を使用していて、なるほど、じっとりとした日本の夏にとても適している。柄も特別感があって、着るとお祭りのような、ハレの要素が楽しい。

IITOのカットソーはいい意味で普通で、上質、安心。だから、ONの日にはインナーとして、OFFの日は心地よいルームウェアとして、つい手にとってしまう。

「丁寧な暮らし」はほど遠いし、少しこそばゆい。

けれど、僕らは好きなものを楽しむ才能をもっている。
部屋のあちこちに楽しみが転がっている、大丈夫。


— KITCHEN —

KITCHEN

突然だが、彼女はエプロンに並々ならぬこだわりを持っている。

料理はもちろんのこと、買い物や掃除、お茶を入れるとき、家事をするときは常に身につけている。

「プロのスイッチが入るんだよね。」と彼女は微笑む。

このプロというのは”我が家のプロ”ということなのだが、確かにエプロンを付けた彼女の動きには無駄がなく、家のことを知り尽くしているようだった。おそらく、実際に知り尽くしているのだろう。

家事を任せきりの僕は機会があるごとにエプロンを献上し、街に出れば厳しい審査に通るようなヤツはいないかと目を凝らしている。

動きやすさや着心地、着脱のしやすさ、素材に見た目に…、審査のポイントは細かい。

今度は今までと趣向を変えて、洋服に近い雰囲気のものを選んでみたが、果たしてお気に召すのだろうか。

空腹を満たす料理と、エプロンを着た姿を想像しながら、祈るように扉を開けた。


— DINING —

DINING

「 キッチンには、ハイライトとウィスキーグラス 」

10年ほど前に気に入っていた曲をふと思い出し、小さく口ずさみながら食卓の準備を整える。その先はうろ覚えで、なんとなく鼻歌でやり過ごす。

お昼に食べたご飯が、いい感じに体に馴染んだ頃合いのコーヒーブレイク。テーブルには、古いリネンシーツをリメイクしたクロスが敷かれ、白泥の器にはケーキが一切れ。いちごの代わりにオレンジを使ったショートケーキのみずみずしさが、蒸し暑さを忘れさせてくれる。

DINING

ささやかなご褒美タイムを満喫しつつ、椅子から周りを見渡せば、先日購入したティッシュカバーと目が合った。ループで壁や柱に掛けることができ、ちょっとした事だがその点を非常に気に入っている。

好きだから、ということだけで集めていた頃から時が経ち、日常がより心地よくなる物を選ぶようになった。もちろん、自分の趣味に合う、という点は譲れないから、小さな物でも本気で探す。

DINING

今年は部屋の香りも新調したが、たくさんのサンプルを試して、麻痺した嗅覚をリセットしながら吟味した。ゆっくりとした今のひとときを思うと、時間をかけて選んだ甲斐があったものだ。

大きな口を開けて、ケーキにはしゃぐ子供に視線を戻す。そっとシャッターに手をかけて、目の前にある自分の家族の風景を覗き込む…。


— LIVING —

LIVING

ゆっくりと目を開けて、飲みかけのコーヒーと燃え尽きたインセンスを見つめる。

どうやら、洗濯の途中でうたた寝をしていたようだ。

「本当に、」

ソファに掛けてあるラグのパッチワークを指でなぞりながら、一人言い訳をつぶやく。

「このソファが眠りを誘うから。」

子供に本を読み聞かせていても、先に寝るのはいつも私の方。体に優しく沿う絶妙なカーブと座面の深さが、抗えない眠りの世界へと誘うのだ。

LIVING

クッションを整えて、寝相で少し着崩れたワンピースをぱっぱっと直す。

「そろそろお迎えに行かなきゃ。」

コーヒーをクッと飲み干し、パタパタと玄関へ。鍵に手をかけた途端にふと気づく。

「いけない、いけないっと。」

ソファのところに一度戻り、共地の紐をキュッと結んだ。

LIVING

— GARDEN —

GARDEN

西の空がほんのりと染まり始めた頃、一日の終わりに、今一番楽しみな時間が始まる。日が沈むまでの少しの間、バルコニーに出て植物の世話に勤しむのだ。

GARDEN

南向きの小さな空間は、日中はとても出れたものではないが、この時間になると爽やかな小風が吹き抜ける。半世紀近く生き、日中の疲れが残る体には、ホームドレスの軽さと涼しさがちょうどいい。

雑草を抜き、水をやり、ひとつひとつの植物の成長具合をじっくりと確かめる。ささやかな変化も嬉しいものだが、成長が目まぐるしい今の時期は四季の中でも格別だ。

GARDEN

「今年もいい感じだ。」

満足感を肴にカシュッとビールを開ける。キャンドルの火だけが優しく灯り、しずかなひとときが流れている。晩御飯に呼ばれるまで、もう少しこの余韻を楽しもう。


— ATELIER —

ATELIER

気に入っている帽子がある。普段はスーツなので、週末限定ではあるが、出かけるとき、趣味で絵を描いたり、キッチンで餃子を作るとき、常にかぶるようにしている。

ATELIER

確か、数年前に何処かの店で買ったのだが、”使われず保管されていた、古いリネン”ということだけは妙に残っていて、そういうものがよく見つかるものだな、と海外らしいルーツに感心したものだ。

長く使っているだけあって、生地は馴染み、自ら直した刺繍に継ぎ跡、手前味噌ながら、なかなかに仕上がっている。

ATELIER

しかしこれは、どんな感じの場所で作られたのだろう。頭の上のベレー、その向こう側が気になっている。普段目にすることができないからこそ、考えは巡り、デザイナーが身につけた様になる姿や、かご一つとっても格好良いだろうアトリエに妄想が膨らむ。

きっと日々の作業の中でいい感じにリネンがくたびれて、汚れ跡とかも様になっているんだろう。

どうにかこの気持を満たす手段はないもんだろうか。

ATELIER
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